マーケットレポート(weekly)

<2026年8月10日>

【原油マーケット】

(/bbl) 週初 週終 +/-
BRENT $83.77 $83.55 -$0.22
AL $76.74 $78.28 $1.55
WTI $80.34 $78.18 -$2.16

8月3日、トランプ米大統領が対イラン攻撃の中止を表明したことを受け、反落した。ただ、中東情勢悪化への警戒感は依然根強く、中東のテレビ局アルジャジーラによれば、イラン外務省報道官は記者会見で米国とは現在交渉していないと主張した。OPECプラスの有志7カ国は、9月の生産目標を日量18万8000バレル引き上げることで合意したと発表した。増産は6カ月連続。
8月4日、ベセント米財務長官は米CNBCテレビのインタビューで、原油輸送の要衝ホルムズ海峡の再開に向けてイラン側と一両日中に合意に達する可能性があるとの見方を示した。ロイター通信によると、仲介国カタールの外務省報道官は同日、米国とイランの紛争の外交的解決に向けた取り組みが続いており、外交交渉が「非常に進展した段階」に達していると明かした。
8月5日、米ニュースサイト「アクシオス」は、ホルムズ海峡の通航再開に向け、イラン、オマーン、米国の3カ国が暫定合意の妥結に近づいていると報じた。トランプ米大統領は同日、「われわれは極めて順調に進んでいる」と語った。一方、イランは交渉が行われている事実も予定されている事実もないと否定。トランプ氏はイランとの合意に至らない場合、同国に激しい攻撃を加えると警告した。ロイター通信によると、イエメンの親イラン武装組織フーシ派は、サウジアラビアの紅海沿岸にあるヤンブー港沖で同国の石油タンカーをミサイルで攻撃したほか、アデン湾でも別の石油タンカーを標的にミサイル攻撃を行ったと明らかにした。
8月6日、イラン外務省報道官は、事実上閉鎖状態にあるホルムズ海峡を通過する航路設定に関する地理的座標についてオマーンと合意したと明らかにした。その上で、特定の第三者による介入がない限り、共同発表に向けた最終段階に入るとの見通しを示した。一方、イランのガリババディ外務次官は同日、ホルムズ海峡の通航を巡るオマーンとの協議について、合意は「最終段階に差し掛かっている」としつつも、なお調整が必要との認識を示した。
8月7日、イランとオマーンは、石油輸送の要衝ホルムズ海峡の航路を巡る共同声明の発表に向け、最終段階の協議を進めているもよう。一方、イラン国営テレビは、米国やイスラエルに関連する船舶の同海峡通航を禁じる計画が国会の委員会で協議されていると報じた。AFP通信は、軍事筋の話として、イエメンの親イラン武装組織フーシ派が暫定政権の軍部隊の宿営地にミサイルや無人機で攻撃し、兵士少なくとも58人が死亡したと明らかにした。

【LPGマーケット】

(/MT) 限月 週初 週終 +/-
CP先物 P 9月 $569.02 $572.18 $3.16
CP先物 B 9月 $590.02 $590.18 $0.16
米国先物 P 8月 $338.32 $344.19 $5.86

中東マーケット

プロパン、ブタン共に上昇
ホルムズ通峡再開に向けた協議が進展しているという報はあるものの、先行き不透明感は根強く残っている。また、サウジアラビア東岸では輸出設備の問題により、8月までは輸出停止が確定した。
中東積出しのLPGをインド西岸でSTS実施して積み替え輸送するルートは現在も行われており、主に中国向けのデリバリーにあたっている。
サウジアラビア/トルコ/パキスタンは3国間の相互防衛協定を結ぶなどして防衛力を高めているものの、フーシ派の攻撃は止まず先行きは不透明なままである。

米国マーケット

相場週間平均:$344.19米国指標の情報はこちら(会員専用)
プロパン上昇ブタン下落
先週のEIA在庫統計は103mil bblと先週比+0.8mil bbl。
在庫の増加に反して、原油上昇を主な背景としてプロパンの価格は週後半で若干の上昇を見せた。パナマ運河通峡費用の高騰により、8月中には約8件のキャンセルが聞かれている。
温暖な気候によるガソリンブレンド需要の減少と堅調な生産状況により、ブタンは下落圧力に晒されることとなった。

欧州マーケット

プロパン、ブタン共に下落
原油価格の上昇、ナフサ対比価格軟化による石化需要増加という価格上昇圧力があったにも関わらず、8か月ぶりの高水準となった米国からの供給量が需要を上回り、両品共に下落した。
ウクライナへ向けて航行中の高圧LPG輸送船が、ルーマニア沖でロシアのドローンに攻撃された。攻撃後のウクライナへのLPG輸送は激減し、ドナウ川の干ばつと併せてウクライナのLPG価格は局所的に上昇した。

アジアマーケット

プロパン、ブタン共に上昇
アジア地域のLPG購入者の関心は引き続きホルムズ海峡よりもパナマ運河の混雑と通峡料高騰に向けられており、一部の船は喜望峰経由での航海を選択していることから期先のタイト感が懸念されている。
中国のLPG輸入量は、7月に2年ぶりの高水準となる340万トンに達する見込みだ。PDHプラントは稼働率70%前後に到達しており、主に中東品で需要の増加を賄っている。

フレート、バンカーマーケット

(/MT) 週初 週終 +/-
フレート 中東-日本 $211.00 $206.25 -$4.75
バンカー LSMGO $1,195.75 $1,145.00 -$50.75

フレートマーケット

トランプ大統領は以前から示唆していたイランへの大規模攻撃の実行を取りやめ、8月6日には「近く終結を迎える」との発言があり、中東周辺の先行き不安感は若干拭われたが、船主の中東へのリスクが直ちに払拭されることはなく、ホルムズ/バブエルマンデブ海峡の通峡隻数には目立った増加は見られていない。BLPG1はBLPG3の下落につられ一時は下がったものの、引き続きBLPG3とのEarning/日対比では大きくプレミアムを付けており、中東情勢の変化が及ぼす原油価格の反応に対比すると、船市況の反応はやや鈍い動きとなっている。尚、AG周辺STSの成約はインド西海岸であるVadinarを中心に$170/mtにて数件が聴かれており、追加戦争保険の範囲外である同地点では足元$200/mt以上を推移するBLPG1以下のレベル感でディスカッションがされていることがわかる。
米国市況に関して、原油下落に作用し米国玉の極東向け積出し経済性はやや縮小したものの、BLPG3の下がり幅が米国玉の極東向け積出し経済性の下落に対して鈍く、現物船商戦はbid/offerのレベルに大きな乖離が生じており、成約は1週間でわずか1件に留まった。一定の下落調整が行われる可能性は極めて高いものの、過去数カ月間も中東情勢は合意間近→再度不安定化を辿ってきたことから、足元商戦である9月前半に船ポジションを構えるトレーダーは安売りをせず情勢を様子見しており膠着状態が継続されている。

10日時点における9月AEフレート想定値は、P 21,300円/t、B 19,000円/t。

バンカーマーケット

バンカー相場(LSMGO)は $1,195.75で始まり、 $1,145.00で週を終えた。

先物マーケット

(/MT) 8月 9月 10月 11月
CP先物 P $620.00 $573.00 $540.00 $533.00
CP先物 B $640.00 $592.00 $558.00 $551.00
米国先物 P $344.19 $354.93 $358.19 $362.75

【価格推移】

サウジCP推移表

2026年8月CPは以下の通りです($/MT)。
プロパン$620/MT(前月比+$40)、ブタン$640/MT(前月比+$40)
A/L (7月1日~31日平均、$86.056)の熱量換算比は、P: 87.9% (前月比+13.3%) 、B: 92.0% (前月比+13.7%)。
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