5月29日に6月のARAMCO価格が発表されましたので次の通りご報告致します。
6月CP
プロパン $ 600 /MT(前月比-$10)
ブタン $ 570 /MT(前月比-$20)
アラビアンライト原油の5月1日~30日の平均価格は$64.878/BBLです。
尚、6月CPのアラビアンライト原油熱量換算比は、プロパンで112.8%、ブタンで108.6%となっております。
過去のCP推移はこちらをクリックしてください。
5月29日に6月のARAMCO価格が発表されましたので次の通りご報告致します。
6月CP
プロパン $ 600 /MT(前月比-$10)
ブタン $ 570 /MT(前月比-$20)
アラビアンライト原油の5月1日~30日の平均価格は$64.878/BBLです。
尚、6月CPのアラビアンライト原油熱量換算比は、プロパンで112.8%、ブタンで108.6%となっております。
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上旬: BRENT: 62.13 ⇒ 63.91 WTI: 59.24 ⇒ 61.02
上昇要因:米国と中国が双方の関税を引下げるとの予測に基づく貿易摩擦の緊張緩和が期待されたこと、トランプ政権がイラン原油を輸入する中国系製油所などの制裁を強化したこと、米国最大の産油州であるテキサス州における4月の石油・ガス掘削許可申請件数が約4年ぶりの低水準まで落込み供給の勢いが弱まったと見られたことなど。
下落要因:OPEC+有志が2か月連続で6月についても大幅減産緩和を発表したことで供給過剰への警戒感が上昇したこと、EIAが発表したガソリン在庫が市場予想に反する積み増しを記録し、夏場のドライブシーズンを前にガソリン需要が伸び悩むとの懸念が出たこと。
中旬: BRENT: 63.91 ⇒ 65.38 WTI: 61.02 ⇒ 62.56
上昇要因:米中双方が90日間関税を115%引下げると発表、世界的な景気悪化や伴って生じるエネルギー需要減速に対する警戒感が一時後退、長期的にも緩和する兆しが見えたこと、 EIAが公表した週報でガソリンやディスティレート(留出油)が在庫取崩しとなったことで、一転して夏場のドライブシーズンを前に燃料需要は堅調との見方が見えたことなど。
下落要因:トランプ大統領が記者会見においてイランとの核合意が近づいていると発言、実際にはイラン側は否定している部分もあったが、同国産原油の市場流入可能性が一時的に生じたこと、OPECの盟主であるサウジをはじめ中東諸国代表がトランプ大統領と会談、原油価格が下がっている現状を容認している雰囲気が醸成されていたことなど。
下旬: BRENT: 65.38 ⇒ 63.90 WTI: 62.56 ⇒ 60.79
上昇要因:トランプ米大統領がロシア-ウクライナ停戦交渉が暗礁に乗り上げていることを示唆し、ロシア産原油の輸出に関与するタンカーが制裁対象となり一部需給が引き締まると見られたこと、イラン核協議は一定の進展をみせたと報道があるものの、双方主張の隔たりがあることは明らかであり決着までの道のりはまだ長そうであるとの見方となったことなど。
下落要因:OPEC+が5,6月に続き7月も大幅減産緩和検討とする報道があり供給過剰懸念が高まったこと、米国が対EU関税を6月1日から10→50%へ引上げると発表(のちに延期)したこと、米国の格付機関が米国債の格下げを行ったことで米国の財政悪化懸念が拡大したことなど。
上旬: CP先物 $565 ⇒ $577
米中の貿易摩擦緩和に向け動きがありそうな中、景気回復の兆しから極東からの購入意欲が増加、極東着マーケットは徐々に手前高方向の動きを見せ、CP先物も徐々に上昇。
中国へ非米国産カーゴ販売を実施した極東インポーターをはじめとした各プレーヤーが、それを補うように代替カーゴを購入していったことも極東着マーケット上昇要因となった。
中旬: CP先物 $577 ⇒ $587
米中双方が90日間の関税115%引下げとしたことで中国勢は米国品を含め購入意欲が増加するとの見方が強まり、極東着価格に連動してCP先物も上昇。FRT価格の上昇を踏まえると過剰に反応した印象。手前安の環境で購入余力を余していたBuyerが複数いた中で期先安の環境に逆転し、手前でも一定の購入が必要となり成約があったことも上昇の一因となった。
下旬: CP先物 $587 ⇒ $600
中東では6月積に対して供給懸念は発生しておらず、特にブタンは売り余している様子。またOPEC+有志の大幅減産緩和の兆しがあり、原油も下落方向のの圧力がかかる状況にも関わらず、中東積カーゴは販売力があるというマーケットの見立が強くCP先物は継続して上昇トレンドを維持。前月、前々月に続き、最終的にはマーケット感よりもさらに高めの値付となった。
5月29日(木)に発表された6月CPは、プロパン$600/トン(前月対比-$10)、ブタン$570/トン(前月対比-$20)。
6月CP先物価格は原油価格に連動した動きはあまり見せず、基本的に上昇トレンドとなった。中東情勢の動きはもはや値動きに大きく影響を与えず、米中間の報復関税に付随した現物フローの変化による中東産プロパンの価値上昇が顕著に表れた格好となった。中国が輸入していたプロパンの約8割は米国産だったものが、関税影響により中国勢は非米国の代替ソースからの調達を余儀なくされ、中東産の特にプロパンの価値が相対的に上昇。90日間の関税相互引下げとはなったもののマーケットでは中東積カーゴの価値は依然として高いと評価され、6月CP先物価格は極東着価格に連動するような形で徐々に上昇する推移を見せた。また、最終的にはプロパンは$600とマーケット感よりも高い値付けとなった。
一方で、ブタン付カーゴが主流である中東産カーゴから、中国勢がプロパンを中心に購入を試みた結果、共に運ばれるブタンの収まる場所がなくマーケットに余剰感が醸成された。クウェートからは6月積ブタンのみカーゴのテンダーが2回発表、サウジはひと月前に5月積のプロパン⇒ブタンの品転を打診していたことなどから、サプライヤーもブタンを何とかして捌かなければならない環境であることが伺え、こうした状況を鑑み6CPのPB価格差はさらに広がることとなり、ブタン対比プロパンが+$30/MTとなった。上記の環境からこのP>Bの価格差はしばらく続く見込み。
・核問題をめぐるイランと米国の協議は5月23日に第5回が完了し一定の進展が見られたとしていたが、6月3日時点で、米国が譲歩した形で示した提案をイランは拒否するものと見られている。
すぐに軍事攻撃的なアクションに移る温度感ではないが、イスラエルがイランへの攻撃を辞さない構えをしていることから、交渉の妥結点がどうなるか引続き注目が集まっている。
・OPEC+有志国は5,6月に引続き7月も大幅減産緩和とすることを決定。各サプライヤーにおける出荷制約等も聞かれておらず供給余剰感がある中で、原油価格が4月月初以前の水準に戻ることはなさそうな環境である。但し、これはイスラエル・イラン周辺の情勢を巡って、大規模攻撃や核施設への攻撃とこれに伴うエネルギー安全供給の懸念といった新たな混乱が生じないことを前提とした話であり、緊迫した状況を迎える可能性もゼロではない。
・今後も引続き米中関税動向には大きな注目が集まる中で、LPGにおいては中国サイドの関税が撤廃されない限りにおいて、2019年以来の米国品が中国に向かわない環境、また足元のブタン余剰の環境は継続するものと考えられる。4月ほどの市況乱高下は想定されないが、政治・経済的要因に左右されるマーケット環境を見極めるべく各国の動向は要注視となる。
・中国PDHの稼働率並びに生産マージンは4月後半以降、過去5年平均を下回る水準で推移しており、需要は落込んでいる。PDH需要回復には極東着プロパン価格の更なる下落が必要となるものの、足元LPG先物は期先が安い環境の為、需要家は可能な限り購入先送りとし、期近の購入を減少させるものと推測。一方で米国で高気温による積み出し遅延が発生していることと、90日間の関税緩和が終了となる8月中旬までに経済性優位となる限りにおいて米国品を購入しようとする中国勢の動きから、7-8月極東着の現物がタイトになる見込みもあり、強弱要因揉み合う状況。