CP価格

4月30日に5月のARAMCO価格が発表されましたので次の通りご報告致します。

5月CP
プロパン $ 750 /MT(前月比±$0)
ブタン  $ 800 /MT(前月比±$0)

アラビアンライト原油の4月1日~30日の平均価格は$107.716/BBLです。
尚、5月CPのアラビアンライト原油熱量換算比は、プロパンで84.9% 、ブタンで91.8%となっております。

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CP決定の背景

原油先物価格の推移

上旬: BRENT: 101.16 ⇒ 95.20 WTI: 100.12 ⇒ 96.57

上昇要因:4月2日、トランプ米大統領は国民向けの演説において、今後2-3週間で徹底的にイランを攻撃するつもりであると明言し、イランも(米・イスラエルが)後悔し屈服するまで戦うと反応したこと、4月6-7日、イスラエルがイラン南部の石油化学施設を攻撃、米軍はアラビア湾のイラン主要原油積出し拠点カーグ島を攻撃、イランもクウェートやサウジの石油関連設備に対して攻撃したことで明らかな被害が発生したこと、また米国は停戦交渉が合意に至らない場合にイランの発電所や橋の破壊を警告し情勢不安に拍車をかけたこと、4月9日、停戦合意後もイスラエルがレバノンを攻撃しイランが激しく反発、停戦合意の実効性をめぐる不透明感が浮き彫りになったこと、など。
下落要因:4月8日、パキスタンの仲介により、米国とイランの停戦が一旦合意となったこと、など。

中旬: BRENT: 95.20 ⇒ 95.48 WTI: 96.57 ⇒ 89.61

上昇要因:4月13日、仲介国パキスタンで代表団による停戦協議が行われたものの合意に至らず、米軍はイランの港湾に船舶を出入りさせないため海上封鎖を実施すると発表したこと、4月16日、米国が終戦に向けた調整の進展を強調したのに対し、イスラエル当局は終結には近づいていないと述べレバノン(ヒズボラ)への攻撃を継続し米イラン協議の進展を妨げたこと、4月20日、停戦期限が迫る中、トランプ米大統領は停戦延⾧の可能性は「極めて低い」と強調し再攻撃に踏み切る構えを示していたこと、など。
下落要因:4月14日、各種報道により米国-イラン間の和平協議進展への期待が強まる中で一時的に供給不安が和らいだこと、4月17日、イランのアラグチ外相が、残りの停戦期間中はすべての商船に対しホルムズ海峡は全面的に開放されていると表明し、一時的にホルムズ通峡の懸念が少し和らいだこと、など。

下旬: BRENT: 95.48 ⇒ 114.01 WTI: 89.61 ⇒ 105.07

上昇要因:4月22日、米国とイランの停戦が延⾧されたものの、ホルムズ海峡付近での船舶攻撃などの報道を受け反発。ホルムズ海峡の航行は引続き不安定であることが露見したこと、4月23日、トランプ米大統領は対イラン海上封鎖を継続するとともに、同水域に機雷を設置している船を撃沈するよう海軍に命じたこと、またイランがこれまでに敷設した機雷の完全除去に6カ月を要するとする報道があり、エネルギー供給混乱が⾧期化するという不安が一層顕著になったこと、4月29日、トランプ米大統領よりホルムズ海峡封鎖が長期化するという発言があり、さらに供給懸念に拍車をかけたこと、など。
下落要因:4月28日、UAEはOPEC(+)からの脱退を発表。サウジ等湾岸諸国との関係性は不安視されるも、機構の枠組の中で減産を強いられる必要が無くなり生産増が期待されたこと、など。

CP先物価格の推移

上旬: CP先物 $672 ⇒ $680

5月CPの先物価格は現物の成約がほぼついていないことから、4月CP価格を上限としたある程度慎重なマーケット感での推移。実質的なホルムズ海峡の封鎖が長期化する懸念もある中、通峡が再開できたとしても軍事衝突前の出荷水準まではすぐに戻らないという見立てもあり先物価格が大きく下がることはなかったが、一時停戦の報を受けて$680程度に収まる形となっていた。

中旬: CP先物 $680 ⇒ $680

アジア圏でひっ迫感は引続きあるものの、米国出荷が好調であり世界全体のLPG現物の不足懸念は若干後退し他製品対比ある程度の裕度が見込めるマーケット感、CP先物価格についても極端な上昇は見られなかった。イランのアラグチ外相による、停戦中はホルムズ海峡は完全開放されているという発言があり、一時的ながら供給不安感が後退、CP先物も原油価格に連動した動きを見せた。

下旬: CP先物 $680 ⇒ $756 ⇒ $750

停戦は継続されたものの、ホルムズ海峡の開放に向けての進展は少なく、むしろ長期化されるというニュースが相次いだことで、原油に連動しCP先物も上昇。最終的には前月CPを若干超える水準までマーケット先物価格は上昇し、そこから大きな乖離はなく前月同単価でのCP発表となった。

5月CPについて

・4月30日(木)に発表された5月CPは、プロパン$750/トン(前月対比±$0)、ブタン$800/トン(前月対比±$0)。
・3月に続き、4月もホルムズ海峡の実質封鎖が続き、中東各国の生産・出荷設備は4月上旬まで断続的に攻撃を受け続け損傷が発生しているという環境の中、CP先物価格は凡そ$650-$750の間で変動。後半になるにつれ、ホルムズ通峡の再開までに時間がかかりそうであるとの報道を主として徐々に高騰して行き、最終的には前月同水準での発表となった。
・ホルムズ海峡の実質封鎖により中東アラビア湾産LPGのFOB商戦及び、関連した船舶のスポット調達については引続き途絶していた。各プレイヤーのCP予想値もまちまちであり、さらに大きく高騰する見立てを持っていたプレイヤーもいた模様。AL比は昨月比で増加したが、原油価格と比較するとやはり控えめな価格であるとも捉えられる。極東着価格の水準がが若干落ち着きを見せる中、船舶市況が高騰していることも加味すると、前月と比較すると落ち着いた印象を受けるCP値付けであるという印象。
・中東品は他産地と比較し相対的にブタン比率が大きいことから、マーケットでは3月に引続きプロパン対比ブタンの方がタイトで価値が高くなっており、こちらがCP価格にも反映されている。尚、CPのプロパン・ブタン価格の差で、2か月連続でブタンの方が$50以上高く発表されたのは約9年ぶり。

今後のマーケットの見通し

・イスラエル・米国-イランの間の軍事衝突は、収束の見通しが立たぬまま2か月以上が経過。一時停戦とはなったものの、5月8日現在、完全な終戦に向けたやり取りに進展はあると報道されつつもその条件や実現性は不透明。両陣営の衝突が再燃しないことやホルムズが再閉鎖されないことが長期的に担保されるのは、現実的に考えるとかなりの時間を要するという見方が強い。
・ホルムズ海峡を通峡している船舶はまばらにあるが基本的には外側に向けての通峡であり、内側に入っていく船はそのほとんどがいわゆるダークフリート(制裁に関連した船舶)と見られる。船舶保険が都度見積もりとなり足元環境ではかなりの高額になることも相まって、リスクの観点から大多数の船舶は通峡できていない状態が続いている。中東積のLPG荷役も基本的にはキャンセルとせざるを得なくなっている模様。一方で、4月もイラン品およびサウジ西海岸Yanbu品のLPG出荷は継続しており、中東全体で見ると平時の約3割ほどの出荷は続いていた。(内数に積み荷役の後ホルムズを通峡できず湾内で滞船している船も含む)。中国等での需要抑制はあるものの、世界的に需給タイトな状態は継続するものと考えられる。
・中東各国の石油・ガス関連設備は4月前半まで複数回にわたり攻撃が及んでおり、LPGに関連しては、イラン、カタール、UAE、クウェート、イラクにおいて関連設備に被害が確認されている。生産及び精製の稼働を落とした設備は、ホルムズ通峡が再開されたとしても、体制が戻るまでのリードタイムが必要であるという観点から、今の状況がすぐに解消されるとは考えにくい。今の状態が続くほど、LPGに限らず各種石油製品の入手難易度は高まり、マーケットは高騰していくと考えるのが自然。
・サウジアラビア東海岸からのLPG出荷は3月から5月までの丸3か月停止が確定し、以降の再開時期も現状は未定。ホルムズが通峡できるようになるまでに設備が回復するかも不透明であり、需給タイト想定の一因であり続けている。