<2025年6月9日>
【原油マーケット】
(/bbl) | 週初 | 週終 | +/- | |
---|---|---|---|---|
BRENT | $64.63 | $66.47 | $1.84 | ↑ |
AL | $65.41 | $65.84 | $0.42 | ↑ |
WTI | $62.52 | $64.58 | $2.06 | ↑ |
↑米労働省が発表した5月の雇用統計によると、景気動向を敏感に反映する非農業部門の就業者数は前月比13万9000人増。伸びは4月から幾分鈍化。市場予想(13万人増)と同程度だった。一方、失業率は4.2%で横ばいとなった。米雇用情勢の底堅さが示されたことから安心感が広がり、米株式相場が大幅上伸。
↑トランプ米大統領と中国の習近平国家主席が電話会談をしたことを背景に、米中通商協議のさらなる進展への期待感が広がっていること。
↑カナダでの山火事により、同国産油量の7%に影響が及んだとされており、供給混乱への警戒感が相場を支えた。
↑ウクライナのゼレンスキー大統領は、同国保安局主導で、ロシア各地の空軍基地にドローン攻撃を行ったと認めた。また、ロシアが併合したクリミア半島とロシアを結ぶクリミア橋の基礎部分を爆破したと明らかにしたこと。
↓EIAが発表した石油在庫統計では、ガソリン在庫が前週比520万バレル増と、予想(60万バレル増)を大幅に上回る積み増し幅となった。ディスティレートも420万バレル増だった。夏場のドライブシーズン入り直後にガソリン在庫が大幅増となったことでエネルギー需要の見通しに警戒感が強まった。原油在庫は前週比430万バレル減と、予想(100万バレル減)を上回る取り崩し幅。
【LPGマーケット】
(/MT) | 限月 | 週初 | 週終 | +/- | |
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CP先物 P | 7月 | $556.67 | $561.82 | $5.15 | ↑ |
CP先物 B | 7月 | $525.67 | $529.82 | $4.15 | ↑ |
米国先物 P | 6月バランス | $374.47 | $379.68 | $5.21 | ↑ |
中東マーケット
↑プロパン・ブタン共に上昇。
→原油の底堅い値動きに伴い、中東FOBもフラットから上昇の値動き。
→インド国営会社から7月積みカーゴに対して購入テンダーが発表されたものの、フレートの上昇からインド以東からの買い気は聞こえず。一方で供給面では一部中東サプライヤーからのタームカーゴについて、プロパン供給割合の減少依頼があったとの情報もあり、プロパンブタン格差が拡大傾向にある。
米国マーケット
相場週間平均:$379.68米国指標の情報はこちら(会員専用)
↑プロパンブタン共に上昇。
↓先週EIAが発表した米国プロパン在庫は、事前予想の前週対比2.8mil bblの積み上げに対し、6.84mil bblの積み上げにて、61.94mil bblでの発表。過去5年平均対比2%増となった。
→直近数週間でマーケット予想対比で積み上げが振るわない状況が続いていたものの、多少のコレクションも入った様子で、先週の在庫統計では大幅積み上げでの発表となった。
→気温が徐々に上昇していることから、米国最大のサプライヤーからの積み出しレートが上がらず、3-4日の出荷遅延が発生しており、出荷が制限されることによって積み上げを加速させる一方、カーゴタイト環境を牽引し、サプライヤーマージンを引き上げる要因となる。
欧州マーケット
↑プロパンブタン共に上昇。
→週を通して買い唱え・売り唱え共に聞こえ、活発なマーケットであった。
↑継続する10%の米中追加関税と米国FOBを欧州への搬入する経済性が悪化していることを背景に、前回米中貿易摩擦時以来5年ぶりにノルウェー産プロパンが中国に搬入される見込みで、今後も同様の環境が続く場合、引き続き中国が欧州産プロパンのアウトレットとなる可能性が継続すること。
アジアマーケット
→プロパン・ブタン共に横ばいの値動き。
↑7月前半着カーゴは需要減少が見込まれていたものの、想定以上に購入者が多く、中国勢からの転売も聞かれなかったことから週前半は極東市況が上昇。
→一方で、商戦が7月後半に移行するにつれて売り手が見え始め、徐々にマーケット感も落ち着く展開となった。
→市場に出る中東カーゴはブタン付きで極東に流れる展開で、韓国勢からの一定のブタン需要は聞かれているものの、旺盛な買い気とまでは言えず、極東市況もプロパンブタン格差が拡大が想定される。
フレート、バンカーマーケット
(/MT) | 週初 | 週終 | +/- | ||
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フレート | 中東-日本 | $68.50 | $70.00 | $1.50 | ↑ |
バンカー | LSMGO | $613.00 | $602.00 | -$11.00 | ↓ |
フレートマーケット
先週はノルウェーにて業界イベントが開催されたものの、中東・米国共に引き続き船需要並びに成約が続いている状況。中東は極端に物理タイトな状況ではないものの、船需要がコンスタントに聞かれ、センチメントを押し上げた。米国は中東以上に船腹不足の環境ではあるものの、米国-極東経済性が改善しないことから、週中ごろまでフレートの上値を抑えていた。しかし、今週の全米在庫統計にて前週対6.84milbblと市場予想対比大幅に増量での積み上げで発表されたことと、期近着現物カーゴのタイト感から米国-極東経済性が大きく改善し、船市況上昇を後押し。また、トンマイル上昇から船現物マーケットにおいては引き続きタイト感が継続しており、特に米国では更なる市況上昇が見込まれる。
6月9日時点におけるAEフレート想定値は、P 10,200円/t、B 8,800円/t。
バンカーマーケット
バンカー相場(LSMGO)は $613.00で始まり、 $602.00で週を終えた。
先物マーケット
(/MT) | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 |
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CP先物 P | $600.00 | $561.82 | $561.00 | $551.00 |
CP先物 B | $570.00 | $529.82 | $531.00 | $521.00 |
米国先物 P | $379.68 | $384.24 | $385.54 | $390.75 |
【価格推移】
サウジCP推移表
2025年6月CPは以下の通りです($/MT)。
プロパン$600/MT(前月比-$10)、ブタン$570/MT(前月比-$20)
A/L (5月1日~30日平均、$64.878)の熱量換算比は、P: 112.8% (前月比+8.5%) 、B: 108.6% (前月比+6.3%)。
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