マーケットレポート(weekly)

<2023年11月27日>

【概要】

先週の原油先物相場は、 BRENT、WTIともに下落した。 (BRENT −$1.74 WTI −$2.06 )
12 月CP先物は $613 で始まり、 $601 で取引を終えた。

【原油マーケット】

BRENT週間推移 : $82.32 → $80.58 WTI週間推移 : $77.60 → $75.54

マーケットの上昇材料は①OPEC+の閣僚級会合で追加で最大日量100万バレルの追加減産が検討されると報じられたこと②ロシア産原油に対する供給制限が強化される可能性が浮上したことなど。下落材料は①OPEC+の閣僚級会合で追加減産の可能性が報じられたが、アフリカ諸国からの減産への反発により会合が延期となり、減産の先行きが不透明になったこと②ロシアが国内需要のためのガソリン輸出禁止措置を解除したこと③米石油サービス会社ベーカー・ヒューズが公表した1週間の国内石油の掘削リグ稼働数は前週比6基増の500基と、3週ぶりに増加。増加幅は2月以来の大きさとなったことなど。

【LPGマーケット】

中東マーケット

原油下落に引き摺られて、下落。潜在的な需要の弱さに加えて、フレート高騰に伴う運搬コストの上昇が重しとなり、買い気は低下している。FOBベースでの転売を検討するプレーヤーも増えており、供給過多な状況となっている。一方で、引き続きパナマ運河の水位低下に伴う通峡枠の減少から極東着玉の減少に伴う代替需要と冬季の需要入りによる極東輸入事業者からの在庫積み上げ需要への期待感は残っており、注視が必要。

欧米マーケット

相場週間平均:$334米国指標の情報はこちら(会員専用)
<米国>プロパン、ブタンともに下落した。先週発表された米国プロパン在庫は前週比47万バレル減の累計9,927万バレル(798万トン)となった。
原油下落に引き摺られて、下落。米エネルギー情報局が発表した米国プロパン在庫統計は、-47万バレルの取り崩しとなったが、エルニーニョ現象を背景とする暖冬の影響で北米内需は例年対比落ち込む可能性が高く、下落基調にある。又、パナマ通峡枠の減少に伴い、スエズ・喜望峰経由の航路選択により、フレートコストが増加。経済性が合わないと判断したプレーヤーから複数のFOBキャンセルが発生していると報じられている。

<欧州>プロパン、ブタンともに下落した。
原油下落に引き摺られて、下落。暖房需要・石化需要共に回復の兆しがなく、需要は低調に推移している。加えて、パナマ運河の通峡枠減少に伴い、パナマ運河を通峡する必要のない欧州市場に米国産カーゴが流れており、需給の緩みに拍車をかけている。米国は高在庫の解消として輸出を継続する方針であり、極東への持ち込みが難しい環境下、引き続き欧州へのLPGの流入が継続されるものとみている。

アジアマーケット

プロパン、ブタンともに下落した。
原油下落に引き摺られて、下落。中国PDH向けの需要の低迷による同国からの転売玉や日・韓の需要の低迷により、需給は軟化している。一方で、米国でFOBキャンセルが相次いでおり、供給量が減少する懸念が相場を下支えしている。今後は、極東域での気温低下による需要増加の可能性もあるため、引き続き注視が必要。

フレートマーケット

フレートは $153.143 で始まり、 $153.571 で週を終えた。
中東積み市場では、新規需要の浮上もなく、需要と供給がバランスしている雰囲気から、横ばいで推移。
米国積み市場では、パナマ運河の通峡減少に伴うフレート高止まりにより商談停滞しており、横ばいで推移。FOBキャンセルも相次いでおり、船需要が減退していることから下落する可能性あり。ただ多くの船主がスエズ運河経由での航海に船を仕向けるなか、19日親イラン武装組織フーシにより紅海で貨物船が拿捕されたことにより、同航路での航海に懸念が広がっている。パナマ・スエズ運河の航海が不可となり、一番航海日数の長い喜望峰経由のみに絞られた場合は、フレートは更に上昇する可能性あり。

27日時点における当社の中東・米国合成フレート想定値は、P 15,300円/t、B 13,500円/t。

バンカーマーケット

バンカー相場(LSMGO)は $784 で始まり、 $796 で週を終えた。

先物マーケット

【CPスワップ($/MT)】
12月 P/B=$ 601 /$ 616
1月 P/B=$ 594 /$ 607
2月 P/B=$ 581 /$ 593

【MBスワップ($/MT)】
11月 P=$ 340
12月 P=$ 340
1月 P=$ 335

【価格推移】

サウジCP推移表

2023年11月CPは以下の通りです($/MT)。
プロパン$610/MT(前月比+$10)、ブタン$620/MT(前月比+$5)
A/L (10月1日~31日平均、$93.3738)の熱量換算比は、P: 79.7%(前月比+3.9%) 、B: 82.1%(前月比+3.3%)。
過去のCP推移はこちらをクリックしてください。

ANSI (旧 北海価格)・アルジェリア価格

11月の旧北海価格及びアルジェリア価格は、以下の通りです($/MT)。
ANSI (旧 北海価格)
プロパン: 536.5 ブタン: 484.5
アルジェリア価格
プロパン: 560.0 ブタン: 535.0