CP価格

1月29日に2月のARAMCO価格が発表されましたので次の通りご報告致します。

2月CP
プロパン $ 545 /MT(前月比+$20)
ブタン  $ 540 /MT(前月比+$20)

アラビアンライト原油の1月1日~31日の平均価格は$62.669/BBLです。
尚、2月CPのアラビアンライト原油熱量換算比は、プロパンで106.1%、ブタンで106.6%となっております。

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CP決定の背景

原油先物価格の推移

上旬: BRENT: 60.75 ⇒ 63.34 WTI: 57.32 ⇒ 59.12

上昇要因:米国はベネズエラに対して大規模な攻撃を実施しマドゥロ大統領を拘束したことで地政学的リスクへの警戒感が高まったと見られたこと、OPECプラスがオンライン会合にて1-3月の増産はしない方針であることを改めて確認、これにより需給引締まりへの期待が強まり、相場の下支え要因となったこと、イラン国内で抗議活動が激化、体制側もインターネットの遮断を実行するなど、治安悪化と政権へ不信感が強まり、イランの供給不安が意識されたこと、など。
下落要因:トランプ米大統領がベネズエラの原油を米国とベネズエラ国民に還元する意向を明らかにし、これを受け同国産原油受入れによる需給影響から一時的に売り圧力が強まったこと、など。

中旬: BRENT: 63.34 ⇒ 64.92 WTI: 59.12 ⇒ 60.34

上昇要因:イラン各地で反体制デモが続きトランプ米大統領がイランへの介入姿勢を強めていた中、イランが攻撃されれば米軍拠点へ報復攻撃を行うと警告するなど地政学リスクが高まったこと、カザフスタンのテンギス油田での原油生産が火災の影響で停止、操業停止が1週間~10日程続く可能性があるとされ、供給不安につながったこと、など。
下落要因:トランプ米大統領がイラン情勢を一旦落ち着いたと評価し米国による軍事介入のトーンが落ちたことでリスク評価が小さくなったこと、ベネズエラからの原油輸出を再開したこと、EIAやOPECの月報が発表され、2026年の需給バランスは均衡し原油の供給過剰感が続くという見立てが続くと見られたこと、など。

下旬: BRENT: 64.92 ⇒ 70.69 WTI: 60.34 ⇒ 65.21

上昇要因:米国の空母がアラビア湾に接近、トランプ米大統領は改めてイラン攻撃の可能性を警告し、核合意の早期締結に応じるよう要求したことで対立悪化懸念が高まっていったこと、米国が攻撃に踏み切ればイランが周辺国に攻撃を与える、その前にイランがホルムズ海峡付近で軍事演習を行う報道があったことから地政学リスクが急上昇したとみられたこと、米エネルギー情報局(EIA)の週間在庫統計にて、原油在庫が市場予想に反しての取崩しとなり、短期的に需給が逼迫する可能性が意識されたこと、など。
下落要因:カザフスタンにおいて、火災の影響で停止していたテンギス油田の生産に再開のめどが立ったことで供給不安が和らいだこと、など。

CP先物価格の推移

上旬: CP先物 $515 ⇒ $522

マーケット感からは大きく乖離していない1月CP発表となった。各サプライヤーから2月積タイミング通知があり、一部のバイヤーに対してレシオ変更(ブタン→プロパン)を依頼したとの話が出ていたことから、ブタンを中心にタイトな状況が伺える環境であった。需要面ではインド向けを中心に積極的な購入意欲が聞かれており、また原油価格の上昇にもつられ先物価格は上昇した。

中旬: CP先物 $522 ⇒ $532

極東の冬季民生用需要は堅調であり、中国PDHの稼働率も70%台を維持するなど石化向け需要も好調な中で、米国積み地での濃霧による出荷遅延影響が継続していることも相まって、中東カーゴもプレミアムが付きやすい環境。インド国営企業からの入札も聞こえ、市況上昇をサポートした。

下旬: CP先物 $532 ⇒ $545

原油価格の大きな上昇に伴いCP先物市況もサポートされ、緩やかに上昇。最終的にはマーケットよりも高い水準でのCPの値付けとなった。インドや中国勢からの引き合いも継続しており、極端なタイト感は見られないものの、需給の引締まりが継続している環境となっている。

2月CPについて

・1月29日(木)に発表された2月CPは、プロパン$545/トン(前月対比+$20)、ブタン$540/トン(前月対比+$20)。
・1月の序盤は、12月に続き複数の中東サプライヤーから、冬場の供給タイト感を仄めかす情報がマーケットに展開された。ベネズエラでの軍事展開では大きな価格変動は観測されなかったが、イラン国内デモの鎮圧に対しての米国の介入を伺わせたあたりから原油価格と相まってCP先物価格も緩やかに上昇していった。その後一旦は中東情勢に落ち着きを見せたように思えたが、最終週には核合意の進展がなけれイランへの攻撃もやむを得ないといった米国の動きから原油価格に伴ってCP先物は緩やかに上昇。最終的には直前の先物マーケットよりも高値($545/トン)のCP発表となった。
・OPEC月報によると12月の原油生産は目指していた水準に達しておらず、カザフスタンを中心として一部生産が不調な国があった。しかしながらもともと供給余剰と考えられていた中で大きな影響があったとは言えず、これらのデータよりもイランを中心とした地政学的リスク評価の増減ににつられた価格変動が大きく観測された。
・インドや中国の需要は好調、日本など極東も季節需要は堅調であり、冬場らしい季節要因の需給引締まりが観測されている。しかしながら急激な供給懸念などは発生しておらず、マーケットが需給バランスの悪化によって大きく変動するような状況にはなっていない。米国品の冬場の霧による一部積荷役の遅延が観測されていることも極東市況を下支えしている要因の一つであるが、パナマ運河の混雑もそれほど大きな影響はなく、中東品のプレミアムが極端に大きくなることはなかった。
・プロパンとブタンの価格差は先月に引続き$5/トンを維持。米国品を含む極東向け持ち届け価格は引続きブタン>プロパンとなっている中、中東産ブタンの引合いも強いが、中東からのプロパン供給余力はなく、一時的に先物の価格差は開いていたが、結果的には価格差は前月横ばいとなった。

今後のマーケットの見通し

・1月CPに続いて2月CPも例年対比安価な値付けとなった。引続き供給過剰に伴う原油価格の低迷に追随する形で大きな価格上昇要素がないことが主要因であり、中東の地政学リスク上昇がマーケットを下支えしているものの、足元環境下では2月をピークとして供給タイト感は解消されていくものと見られている。但し、中国・インド・極東の需要は引続き堅調であるため、緩やかな価格の減衰になるものと予想される。尚、イランを中心とした中東情勢はマーケットの動きを大きく変動させる可能性があり要注目となる。
・2月4日現在、イランと米国の具体的な衝突は発生していないが、核合意に関する”Deal”はイラン側が受け入れられるとは考えにくく決裂の可能性も十分にあり得る。米国が攻撃に踏み切った場合、イランは昨年の十二日戦争と同様に大きく反撃に出る可能性は高い。特に今回は対イスラエルというより対米国の色が強いため、攻撃範囲も思わぬ広がりを見せ中東地域が混乱する、石油製品の出荷にも影響が出る、というシナリオも十分に考えられるため決して楽観的ではいられない状況。
・米中相互関税の影響により2025年4月より特に市況が不安定となったことで、中国勢は25年中に26年以降のターム購入契約に踏み切れず、年明け以降は例年に比べて中国勢による多くのスポット購入入札が見られた。これは通年で続いていくものと思われ、SPOTマーケットの変動幅が例年より大きくなりやすい環境となることが予想される。中国が米国品LPGに課す追加関税は現行10%のまま11月まで継続することとなるが、今後どのような駆け引きがあるか、引続き注目となる。
・プロパン価格上昇と製品マージン下落を受け、1月末頃から主要PDHプラントの一部が生産を停止している状況。春節を2月中旬に控える中、極東価格(石化原料価格)がこのまま上昇すれば中国のPDH・石化勢はLPG購入を控える動きを強め、市況が想定よりも落着く可能性も否めない(尚、中国のLPG需要のうち60%以上は石化用途)。