CP価格

3月31日に4月のARAMCO価格が発表されましたので次の通りご報告致します。

4月CP
プロパン $ 750 /MT(前月比+$205)
ブタン  $ 800 /MT(前月比+$260)

アラビアンライト原油の3月1日~31日の平均価格は$126.286/BBLです。
尚、4月CPのアラビアンライト原油熱量換算比は、プロパンで72.4% 、ブタンで78.3%となっております。

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CP決定の背景

原油先物価格の推移

上旬: BRENT: 77.74 ⇒ 87.80 WTI: 71.23 ⇒ 83.45

上昇要因:米国とイスラエル両軍は2月28日、イランに対する攻撃を開始。イランは当日すぐに反撃を始め、周辺湾岸諸国の主に米国関連施設を狙った攻撃を継続的に実行。イランの最高指導者アリ・ハメネイ師が死亡したことも確認され、両陣営間の攻撃の応酬が続いた。原油含む中東産の各製品の輸送要衝であるホルムズ海峡はイランによって事実上封鎖された状態となり、エネルギー供給不安が高まったことで原油買いが活発化。イランによる無人機攻撃を受けカタールのLNG設備が損傷を受けるなど、湾岸諸国のエネルギー関連施設において生産・出荷が一時停止されていると報じられ、紛争が終息したとしてもエネルギー供給混乱が続くとの懸念が広がり、原油買い圧力がさらに強まった。
下落要因:停戦に向けた動き、ホルムズ海峡の一部船舶の航行許可の可能性などから一時的に売り要因は発生するものの、クリティカルなものはなくマーケットは上昇傾向が続いた。

中旬: BRENT: 87.80 ⇒ 112.19 WTI: 83.45 ⇒ 98.32

上昇要因:3月13日、イラン指導部がホルムズ海峡封鎖を「圧力手段として継続する」と改めて表明。湾岸海域では新たな船舶攻撃も報告され、IEA月報は「現在の中東情勢は石油市場史上最大級の供給途絶リスク」との認識が示された。3月17日、米国は、イランでハメネイ師死去後事実上の指導者であったラリジャニ事務局⾧を殺害したと発表、イランの抵抗がさらに強まる懸念が強まった。湾岸諸国では油田や石油施設などの被害が相次ぎ発生、UAEでは無人機攻撃により油田や同国の輸出拠点の港で火災が発生。3月18日にはカタールエナジーが、イランのミサイル攻撃を受けラスラファン工業都市が甚大な被害を受けたとの報道。同日、イランの主要天然ガス施設が飛翔体による攻撃を受け、イランはUAE、サウジアラビア、カタールの製油所やガス田などを「正当な標的」と名指しし、間もなく報復すると主張。一連の動きから供給不安が一段と高まり原油が買われた。
下落要因:3月11日、国際エネルギー機関(IEA)が過去最大規模となり得る戦略石油備蓄の放出を検討しているとの報道が浮上。情報は錯綜するも供給不安一服との見方もあった。

下旬: BRENT: 112.19 ⇒ 118.35 WTI: 98.32 ⇒ 101.38

上昇要因:3月24日、米国防総省が対イラン軍事作戦の一環で陸軍空挺部隊の派遣を検討していると報じられ、またサウジアラビアの事実上の最高権力者ムハンマド皇太子がイラン攻撃を決断するのは時間の問題だとする関係者の見方も報じられるなど、中東情勢沈静化に向けた報道と並行してマーケット上昇要因となるものも報じられた。3月25日、イランは米国の提示した停戦計画に盛り込まれた内容に対して「過剰だ」と反発、拒否したとの報道。米国はイランの発電設備への攻撃を延期すると表明したもののイスラエルがイランの原子力発電所を攻撃したことなどからイランは反発を強め、周辺諸国へのミサイル・ドローン攻撃を継続、またイランはホルムズ海峡を自国の管理下に置くよう主張しており、海峡の解放までは時間がかかるという見方が強まった。3月28日にはイエメンを拠点とするフーシ派が参戦を表明、紅海経由の航路にて危険性がさらに強まるとの懸念から、買い圧力が強まった。
下落要因:3月23日、トランプ米大統領がイランとの敵対関係の「完全かつ全面的な解決」に向け生産的な対話を行ったと投稿。発電所攻撃計画の延期等から供給不安が一時急落した。

CP先物価格の推移

上旬: CP先物 $581 ⇒ $557

イスラエル・米国-イラン間が実質戦争状態に突入し、中東からの供給懸念は増大。ホルムズ海峡の実質封鎖に伴い足元各サプライヤーの3月積みスケジュールにも遅延が見られ、4月以降の出荷も不透明な状況となった。3月10日時点ではホルムズ海峡実質封鎖はそこまで長引かないのではとの声も聞かれており、CP先物は乱高下しながらも大きくは上昇せず様子見の様相。

中旬: CP先物 $557 ⇒ $596

ホルムズ海峡が実質的に封鎖状態にあり中東からの積出しは途絶。湾岸諸国の石油関連設備への攻撃もある状況下、4月以降のCP価格に対する不透明感は継続、原油及びアジアマーケットの上昇に伴いCP先物価格は上昇傾向であり、ボラティリティが高い環境が継続。サウジアラビア東海岸積みはパイプライン損傷の影響が続き4月も出荷不可という情報も上昇要因に。

下旬: CP先物 $596 ⇒ $657 ⇒ $750

米国/イラン間の停戦に関する様々な報道が飛び交い、供給不安が継続。4月以降のCP価格は想定が難しい状況であり、なるべく安価の値付を望むインポーターもいる中、極東マーケットに合わせて高騰するのが自然だという声も聞かれていた。最終的にはマーケット予想を上回っての値付けとなり、また中東の生産比率が大きいブタンの方が高価な値付けとなった。

4月CPについて

・3月31日(火)に発表された4月CPは、プロパン$750/トン(前月対比+$205)、ブタン$800/トン(前月対比+$260)。
・2/25に発表されたサウジアラビア東海岸のパイプライン損傷による出荷停止に続き、ホルムズ海峡の実質封鎖、中東各国生産・出荷設備の損傷という前代未聞の環境の中、CP先物価格は乱高下しながらも上昇し、最終的にはマーケット予測を上回っての発表となった。プロパン・ブタン共に前月比+$200/トン以上の変動となったが、これは上昇方向の価格変動としては2013年12月(プロパン前月比+$225、ブタン前月比+$310)以来である。
・ホルムズ海峡の実質封鎖により中東アラビア湾産LPGのFOB商戦及び、関連した船舶のスポット調達についてはほぼ途絶し、参照すべきマーケット参考情報が乏しい中でのCP価格決定となった。各プレイヤーのCP予想値にも大きく乖離がある中、マーケット想定よりは高い値付けとなった印象も、それでもまだ安価であると捉えるプレイヤーの存在も聞かれた。
・上昇幅としては非常に大きいものの、AL比にも表れているように、原油価格と比較すると上昇幅は押さえられているとも捉えられる。また、LPG極東着マーケットの価格変動と比較しても同様に、相対的には安価な値付けであると捉えることもできる。

今後のマーケットの見通し

・目下継続中のイスラエル・米国-イランの間の軍事衝突は1か月経過も収束の見通しは立たず。米国-イラン間の停戦交渉は難航しており、両国が提示する条件は双方に受入れ難い状況。その中でイスラエルがイランの原子力施設を攻撃、イランは周辺諸国のエネルギー関連施設攻撃継続、ホルムズ海峡の実質封鎖も解消されず、事態は改善していない。
・ホルムズ海峡が通過できない状況が続けば、さらに世界的な需給タイトが強まると考えられる、ホルムズ海峡では現在、船舶保険が適用外となったこともあり、リスクの観点からほとんどすべての船舶が通峡できず、中東積の荷役も基本的にはキャンセルとなっている。外交協議によって中国・インド船籍等、一部の船が通峡したとの報道はあるも限定的。ホルムズ海峡の安全性が担保されるにはイラン革命防衛隊が攻撃を実施しないことを確認し、複数船が通峡の実績を積み上げる必要があると考えられ、今の状況がすぐに解消されるとは考えにくい。
・中東各国の石油・ガス関連設備は3月に何度も攻撃が及んでおり、LPGにおいては特にイラン、カタール、UAEで影響が大きい模様。また攻撃を受けていない設備についても、生産及び精製の稼働を落としている。ホルムズ通峡が再開されたとしても、出荷状況が元通りになるには数年単位の時間がかかると見られている。
・世界的なLPGの供給量不足は既に顕在化しており、インドや東南アジアでは在庫が逼迫、米国品を中心としたSPOT品の調達に奔走している。大きく環境が変わりゆくマーケットの中、中東以外のサプライヤーと購入契約を締結している各社及び高いコストを払ってでも調達をしたい各社だけが現物を手にすることができる環境になっていく。今の状態が続くほど、LPGに限らず各種石油製品の入手難易度は高くなり、マーケットは高騰していくと考えるのが自然。
・ホルムズ封鎖が解けたとしても、サウジアラビア東海岸からのLPG出荷停止については4月末までは継続され再開時期は未定の状況。こちらも需給タイト想定の一因となっている。