CP価格

5月25日に6月のARAMCO価格が発表されましたので次の通りご報告致します。

6月CP
プロパン $ 760 /MT(前月比+$10)
ブタン  $ 820 /MT(前月比+$20)

アラビアンライト原油の5月1日~31日の平均価格は$122.072/BBLです。
尚、6月CPのアラビアンライト原油熱量換算比は、プロパンで75.9%、ブタンで83.1%となっております。

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CP決定の背景

原油先物価格の推移

上旬: BRENT: 108.17 ⇒ 101.29 WTI: 101.94 ⇒ 95.42

上昇要因:5月4日、米国がホルムズ海峡通過を阻まれている船舶の航行支援を表明、一方でイラン革命防衛隊は海峡がイラン支配下にあると主張している中、航行中の船舶が攻撃されたという報道があったこと、5月7日、米国はイランが保有する高濃縮ウランを米国に搬出することも含めた停戦案であると説明も、イランメディアでは受入れ難い複数項目が含まれていると報じられ、駆引きが続いていたこと、5月8日、米国が駆逐艦3隻に対しイランによる攻撃を受け報復したと発表、イラン側は石油タンカーなど2隻の被攻撃のための反撃と表明、和平合意の先行き不透明感が続いたこと、など。
下落要因:5月5日、ルビオ米国務⾧官はホルムズ海峡の航行の自由確保のため国連安保理に決議案を提出したと明らかにし、通峡再開への期待感から相場は一時的に下落したこと、5月6日、トランプ米大統領はイランが合意すれば対イラン軍事作戦を終了、ホルムズ海峡がイランを含む全ての国に開放されることになると示唆し、戦闘停止交渉が進展する期待が台頭したこと、など。

中旬: BRENT: 101.29 ⇒ 105.02 WTI: 95.42 ⇒ 98.26

上昇要因:5月12日、トランプ大統領は戦闘終結を巡る米国の提案に対するイランの返答について非難、原油供給混乱の⾧期化への懸念が強まり原油の買いが優勢になったこと、5月14日、イランのアラグチ外相は米国からの戦闘終結に向けた協議継続意向を受領も、米国を信用していないと強調し、米国が真剣な場合のみ協議に応じるとの慎重な姿勢を崩さないこと、5月18日、米国-イラン和平交渉の難航が改めて意識される中、UAEの原発へのドローン攻撃が確認され緊張が走ったこと、など。
下落要因:5月19日、トランプ米大統領が19日に実施予定だったイラン攻撃を延期すると表明したことを受け、中東情勢を巡る過度な懸念が緩和したこと、5月20日、トランプ米大統領はイランとの交渉が最終段階にあると述べ、和平協議の先行きはこれまでの経緯から不透明ではあるものの若干楽観的な見方が浮上したこと、など。

下旬: BRENT: 105.02 ⇒ 92.05 WTI: 98.26 ⇒ 87.30

上昇要因:5月22日、米国はイランとの戦闘終結に向けた交渉に関して良い兆候があったと言及する一方、イラン情報筋は交渉には引き続き条件面の互いの隔たりを強調しており。
下落要因:5月21日、イラン発のニュースをベースに、パキスタンの仲介により米国とイランが和平案草案で合意に達する見通しとの報道が広がったこと、5月25-27日、イランの核をめぐる問題についての両陣営の主張は対立が続くも、60日間の停戦延長とホルムズ海峡の正常化に向けて動いているという楽観視した意見が強まったこと、5月28-29日、60日間の停戦延⾧などを盛り込んだ覚書を巡り、両陣営の主張に乖離はあるもの双方の交渉担当者が「暫定合意」に達したと明らかにしたこと、など。

CP先物価格の推移

上旬: CP先物 $684 ⇒ $680

6月CPの先物価格は、引続き現物の成約がほぼついていないことから4月・5月CP価格を上限としたある程度慎重なマーケット感での推移。原油価格に連動する形で先物価格も変動。
一時的に$700以上まで上昇するも再度$680前後まで下落。ホルムズ海峡正常化への期待が高まる中、LPGに特化した動きはあまりなかった。

中旬: CP先物 $680 ⇒ $743

戦闘終結・ホルムズ海峡正常化の進展がなかなか進まない中で原油価格も再度上昇傾向となり、またCP発表は5月末のイスラム圏における休暇前になるという情報もあり、6CP先物価格は4,5月と同水準に収束するのではというマーケット感が醸成され、$750に近づいていった。

下旬: CP先物 $743 ⇒ $760

CP発表前数日間の価格変動(流動性)は限定的であった。CPは例月より早く5/25(月)に発表あり。
原油価格は5/25(月)以降も下がっていったが、その要素を反映する前の発表となった。

6月CPについて

・5月25日(月)に発表された6月CPは、プロパン$760/トン(前月対比+$10)、ブタン$820/トン(前月対比+$20)。月末のイスラム教の休日により例月よりも早めの発表となった。
・ホルムズ海峡の実質封鎖は3か月が経過しようとしている中、中東各国の生産・出荷設備の再開・稼働の目処も不透明。CP先物価格は原油価格に連動した動きを見せつつ前月価格に漸近、月末付近の原油価格下落の影響を受ける前に、前月比若干プラスでの発表となった。
・ホルムズ海峡の実質封鎖により中東アラビア湾産LPGのFOB商戦及び、関連した船舶のスポット調達については引続き途絶している状態。AL比は昨月比で再度減少、LPGの世界的な供給は何とか保たれてはいるという見方からか、原油価格(AL)と比較すると相対的な価格は引続き控えめであるとも捉えられる。
・中東からの輸出品は他産地(特に主な生産地である北米品)と比較し相対的にブタン比率が大きく、インド民生用需要を筆頭にブタンの方が不足している状況であり調達難易度が高い。これを反映し、4,5月に引続きプロパン対比ブタンの方が価値が高くなっており、さらに差が開いた。

今後のマーケットの見通し

・イスラエル・米国-イランの間の軍事衝突は、収束の見通しについての報道が度々なされるも、根本的な解決の見通しが立たぬまま3か月が経過。5月末から6月頭にかけては大規模ではないものの再度ミサイル・ドローン攻撃が両陣営からあり、地域の安定とホルムズ海峡の安全担保までの道のりは、未だに不透明。米国-イランの間の交渉の最中にもイスラエルがレバノンへの攻撃を続けるなどの軍事行動を継続しておりトランプ米大統領もイスラエルを批判、またイランは政府発表と革命防衛隊(IRGC)の主張が食い違うことが間々ある状況。この最も根本的な対立関係にあるイスラエルとIRGCが今後どのように動くか、意思決定をしていくか、が事態収束に向けてのポイントとなる。
・ホルムズ海峡の通峡船はまばらにはあるものの、基本的には外側に向けての通峡のみであり内側に入っていく船はそのほとんどがダークフリート(制裁に関連した船舶)である状況が継続。動ける船の数は減っており、またホルムズ海峡の実質的封鎖の状態は変わらず大きなリスクが伴うことから大多数の船舶は通峡できていない状態が続く。中東積のLPG荷役も3月から5月にかけて基本的にはやむを得ずキャンセルとなっている模様。一部のイラン品およびサウジ西海岸Yanbu品のLPG出荷は継続されるも、3・4月比では減少。中東全体の出荷量は平時の3割以下となっている。
インド・中国等での需要抑制、米国品の増加による世界全体の需給バランスの乖離は何とか抑えようとする動きにはなっているが、これは石化需要の減少、備蓄の開放、季節要因の一時的な需要の減少が相まっての一時的な状況であって、需給タイトな状態は変わっていない。LPGに限らず各種石油製品の入手難易度は高まり、マーケットは高騰していくと考えるのが自然。
・サウジアラビア東海岸からのLPG出荷は紛争に関係なく3月から6月までの丸4か月停止が確定。設備の回復状況は不透明であり、ホルムズ海峡の問題が解決した場合においても需給タイト想定となる要因であり続けている。