7月31日に8月のARAMCO価格が発表されましたので次の通りご報告致します。
8月CP
プロパン $ 520 /MT(前月比-$55)
ブタン $ 490 /MT(前月比-$55)
アラビアンライト原油の7月1日~31日の平均価格は$72.231/BBLです。
尚、8月CPのアラビアンライト原油熱量換算比は、プロパンで87.8%、ブタンで83.9%となっております。
過去のCP推移はこちらをクリックしてください。
7月31日に8月のARAMCO価格が発表されましたので次の通りご報告致します。
8月CP
プロパン $ 520 /MT(前月比-$55)
ブタン $ 490 /MT(前月比-$55)
アラビアンライト原油の7月1日~31日の平均価格は$72.231/BBLです。
尚、8月CPのアラビアンライト原油熱量換算比は、プロパンで87.8%、ブタンで83.9%となっております。
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上旬: BRENT: 67.11 ⇒ 68.64 WTI: 65.45 ⇒ 66.57
上昇要因:イランが国際原子力機関への協力を停止すると表明し、同国の核開発計画把握難化によりイスラエル陣営が刺激され、将来的な地政学的リスクが意識されたこと、米国がベトナムと関税交渉で合意したのを皮切りに、米国と他の貿易相手国との間でも交渉・妥結が徐々に進むとの期待が醸成されたこと、など。
下落要因:OPECプラス有志国が8月原油生産量を54万8000バレル/日増産(減産緩和)すると決め、さらに需給が緩み供給余剰となる懸念が広がったこと、米国の関税政策により世界各所のな経済成⾧が一部鈍化し、伴ってエネルギー需要も抑えられる警戒感が聞かれたこと、など。
中旬: BRENT: 68.64 ⇒ 69.21 WTI: 66.57 ⇒ 67.20
上昇要因:米エネルギー情報局(EIA)週報において、若干ではあるものの原油在庫が市場予想を上回る取崩しとなったことで好調な需要への期待が現れたこと、夏場の旅行や発電向けの需要で製油所の稼働が好調になるという予想から、供給が見かけより逼迫している可能性があるという見方があったこと、など。
下落要因:OPEC月報では世界石油需要見通しについて前月から据置きとされている一方、OPEC+で減産緩和を進めていることから、影響は軽微ながら供給過剰感が出てきたこと、米国がロシアに対しウクライナとの停戦に応じなければ追加経済制裁を課す考えを表明しているものの、当該制裁は50日の猶予期間が与えられていることから、厳格でないとの見方が強く、供給不安感が後退したこと、など。
下旬: BRENT: 69.21 ⇒ 72.53 WTI: 67.20 ⇒ 69.26
上昇要因:米国が対EU関税を15%として合意し、米国に対する投資やEUの米国エネルギー関連製品購入の発表も相まって貿易戦争による混乱が回避、エネルギー需要後退の懸念が緩和したこと、米中両国は8月12日を期限としていた一部関税の停止を90日延長させる方向で暫定合意したとの報道があり、高関税賦課による経済鈍化の懸念が後退したこと、など。
下落要因:OPECプラスが8月月初の会合で9月の産油量をさらに増産(減産緩和)させる、さらなる供給過剰への警戒感が高まっていたこと、米国雇用統計において非農業部門就業者数の増加幅が予想を下回ったほか、遡っての下方修正も入り、景気減速とエネルギー需要の鈍化懸念が生じたこと、など。
上旬: CP先物 $558 ⇒ $563
原油の値動きに連動した小幅な上昇の動きとなった。イラン-イスラエルの停戦は維持されているものの地政学的リスク上昇に伴うフレート価格の上昇があり、船を傭船してFOBを購入したいという動きは減衰傾向。インド国営会社からのFOB購入入札も聞かれたものの、中東品の商圏において現物需給がタイトな状況は聞かれず、先物価格も値上がりしにくい状況となっていた。
中旬: CP先物 $563 ⇒ $525
原油価格下落のタイミングで続落。中東フレート相場が割高な状況下で引続き買手は中東FOB購入に消極的であり、供給過剰感から成約値は下落を続けた。
各中東サプライヤーの翌月(8月)積日アナウンスも特段の問題無く、供給不安材料もほとんど聞かれていなかったことから、先物価格は上昇に転じなかった。
下旬: CP先物 $525 ⇒ $520
フレート市況は高止まりしている中、アジアの需給も軟化しCP先物価格も引続き停滞気味。最終的にプロパンはマーケット感よりもさらに低い値での発表となった。原油価格は上昇しナフサ価格も下支えされている中で石油化学原料としてブタンが割安となったことで、中韓を中心に需要が増えPB値差は縮まるものと見られたが、結果的にCPのPB値差は縮まらずブタンも想定より低い値での発表となった。
・7月31日(木)に発表された8月CPは、プロパン$520/トン(前月対比-$55)、ブタン$490/トン(前月対比-$55)。
・8月CP先物価格は、前半こそ原油に連動し前月の水準から大幅には離れていなかったが、LPGのアジアマーケットにおいては供給過剰感が醸成され、中旬から大きく下落傾向となった。
中東情勢の悪化はフレート市況には余波を残したものの、6月の出荷状況が好調であったこともあり、短期的な供給懸念はないとの見立が強く、原油・LPGマーケット変動の軸からは外れている印象。各国の米国との関税交渉の方針が徐々に明らかになってゆく中、これに伴う経済動向、エネルギーフローの変化や強弱に敏感に反応していく環境となっている。
・夏場は一般的にLPGの非需要期ということも相まって、原油価格に反して大幅な価格下落となった。CP価格が前月比で$50/トン以上変動するのは2023年9月→10月以来、さらに前月比マイナスの変動に限ると2023年6月→7月以来。約2年ぶりの大きな月間価格変動となっており、供給過剰、需要減退が顕著に感じられる環境となっている。
・月の後半にかけて、ナフサとの値差による石油化学原料としてのブタン需要増大の声が聞こえてきたことで、PB価格差は$20/MTのブタン安まで縮小するのではとの見方もあったが、前月同様$30/MTの価格差を維持した。総じて、プロパン・ブタン共にマーケット予想よりも低めについた印象。
・中東情勢は、将来に渡っての懸念(イラン-イスラエルの対立再燃)は残るもののしばらくは安定するという見方。中東LPG出荷も懸念材料はなく、しばらくは出荷は安定するものと見られる。特にサウジアラビアではOPEC+減産緩和による原油随伴LPG出荷が想定より大きく増えると見られ、クウェートやUAEもインパクトはサウジ比小さいものの輸出の想定比増が見込まれそうな状況。
・米中関税が一旦さらに90日間の延期となる前提においては、直近で大幅なマーケット変化は予想されておらず需給バランスが一挙に崩れることは想定しにくい環境。中国勢の非米国品プロパン需要の増減、及びアジアの石油化学原料用ブタン需要の動向によってプロパン・ブタンの値差は変動しうるものと考えられる。
・中国の7月LPG輸入量は季節的需要減と台風の影響もあり前月比80%ほどであったが、同国のプロパンが原料となるPDHプラントの稼働率は7月後半のLPG価格(=原料価格)の下落により、回復傾向。LPGの価格が他減量対比で下がったことでブタンだけでなくプロパン需要も伸びるものと見られる。これら要因に加えこれから秋冬に差し掛かることもあり、CP含めLPG価格は近いうちに上昇傾向に転じるものとマーケットは予想している。
・フレートマーケットが高止まりしているが、これは多くの船が入渠している中で米国積みの輸出能力拡大により傭船需要があること、パナマ通峡の競争が若干激しくなりオークション金額が足元で$900kまで上昇していること、台風など天候要因、等が挙げられる。中東においてもOPEC+の減産緩和により必要隻数は増え、傭船需要は下支えされると見られる。他にも市況を左右する要因が多く見通しは難しいものの、フレートマーケットは下支えされやすい環境と考えられる。