マーケットレポート(weekly)

<2025年7月1日>

【原油マーケット】

(/bbl) 週初 週終 +/-
BRENT $71.48 $67.77 -$3.71
AL $77.17 $69.46 -$7.71
WTI $68.51 $65.52 -$2.99

イスラエルによる対イラン攻撃をきっかけとした軍事衝突は、米国やカタールの仲介で24日に停戦合意が発効。両国の停戦合意を受け、中東地域のエネルギー供給停滞を警戒した買いの巻き戻しが進行し、大幅続落。
トランプ米大統領は、イランとの「何かしらの合意」を結ぶ可能性を示唆。また米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長が、トランプ政権の高関税政策による物価高は「一時的」にとどまる可能性があるとの見解を表明。これも早期利下げ再開観測を後押しし、相場の支援要因。
EIAが発表した週間石油在庫統計で、原油在庫が前週比580万バレル減と、市場予想の80万
バレル減を大幅に上回る取り崩し幅となり、相場は一時$66台半ばまで上伸。中東情勢の先行きが注視される中、需給の引き締まり予想を背景とした買いが優勢となり続伸。

【LPGマーケット】

(/MT) 限月 週初 週終 +/-
CP先物 P 8月 $592.16 $566.51 -$25.66
CP先物 B 8月 $564.16 $538.01 -$26.16
米国先物 P 7月バランス $433.08 $382.28 -$50.80

中東マーケット

プロパン・ブタン両種で原油と共に下落。
イラン・イスラエルの停戦が報じられたものの、依然として中東情勢の不安定さが懸念され、現物スポットFOBの買い気が乏しい状況が継続。

米国マーケット

相場週間平均:$382.28米国指標の情報はこちら(会員専用)
プロパン・ブタン共に下落。
6/25にEIAが発表した米国プロパン在庫は、、市場予想+3.6mil bbl を上回る5.1mil bblの積み上げで、72.62mil bblでの発表。
ヒューストン港での荷積み遅延は引き続き改善されている。出荷自体は順調に推移している状況の為、大幅な輸出減とはならない見込み。
米国-アジア間の価格差は週を通して横ばいで推移。上述の通り輸出量が安定していることから、米国FOBに対して過度なサプライヤープレミアムはついてない状況。

欧州マーケット

プロパン・ブタン共に下落。
イラン・イスラエルの停戦により、中東からの供給途絶の懸念が和らぎ、米国FOBの価格が下落したことから、欧州市況も下落傾向。
夏場の主要需要家である欧州石油化学製品の需要は減退しており、プロパン/ナフサの格差が縮小。ブタンは引き続き流動性が低く、ナフサ対比約85%のバリュー推移。

アジアマーケット

プロパン・ブタン共に下落。
イラン・イスラエルの停戦合意を受けて、極東マーケットは大幅下落。足元現物需給バランスは供給余剰が予見され、先物市況のバックワーデーション(手前高)が消失。
7月CPが市況想定より安価で確定し、潜在的な中国需要が刺激され需給が引き締まることで、価格の押し上げ要因となる可能性もある。

フレート、バンカーマーケット

(/MT) 週初 週終 +/-
フレート 中東-日本 $88.67 $80.17 -$8.50
バンカー LSMGO $716.50 $672.00 -$44.50

フレートマーケット

米国仲介によってイラン・イスラエルが停戦に向けて進む中、ペルシャ湾内入域への懸念が減少していることから中東船舶市況に関してここから緩やかな下落を想定。
地政学的リスクの落ち着きにより、需要減退が露呈されるかたちとなり、極東LPG価格も下落傾向にあることから、米国-極東間マージンは拡大せず、米国船舶市況もサポートされない環境。また7月米国着船は物理船腹供給量がタイトであるものの、8月以降は船主勢の船が一定数回帰する見込みのため、物理バランスの要因からも市況は上昇しにくいと考えられる。

7月1日時点における8月AEフレート想定値は、P 10,500円/t、B 9,100円/t。

バンカーマーケット

バンカー相場(LSMGO)は $716.50で始まり、 $672.00で週を終えた。

先物マーケット

(/MT) 7月 8月 9月 10月
CP先物 P $575.00 $566.51 $559.50 $560.50
CP先物 B $545.00 $538.01 $534.50 $538.50
米国先物 P $382.28 $387.49 $391.40 $391.40

【価格推移】

サウジCP推移表

2025年6月CPは以下の通りです($/MT)。
プロパン$600/MT(前月比-$10)、ブタン$570/MT(前月比-$20)
A/L (5月1日~30日平均、$64.878)の熱量換算比は、P: 112.8% (前月比+8.5%) 、B: 108.6% (前月比+6.3%)。
過去のCP推移はこちらをクリックしてください。