CP価格

6月30日に7月のARAMCO価格が発表されましたので次の通りご報告致します。

7月CP
プロパン $ 580 /MT(前月比-$180)
ブタン  $ 600 /MT(前月比-$220)

アラビアンライト原油の6月1日~30日の平均価格は$94.773/BBLです。
尚、7月CPのアラビアンライト原油熱量換算比は、プロパンで74.6%、ブタンで78.3%となっております。

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CP決定の背景

原油先物価格の推移

上旬: BRENT: 94.98 ⇒ 93.10 WTI: 92.16 ⇒ 90.03

上昇要因:6月3日、米国とイランの戦闘終結に向けた協議に目立った進展がない中、クウェートでは国際空港など民間施設が攻撃を受けたことで、エネルギー供給の混乱懸念が再度強まったこと、6月10日、トランプ米大統領が、イランは交渉に時間をかけ過ぎであり代償を払う必要があると主張のうえ、同国への激しい攻撃を再度仄めかし、膠着状態長期化の可能性が強まったこと、など。
下落要因:6月4日、イスラエルとレバノン両政府が両国間の停戦合意を発表し、これにより米-イラン間の協議進展とホルムズ海峡航行への影響緩和への期待感が浮上したこと、6月9日、イランとイスラエルによる地域での攻撃が一時停止したことを受け、軍事的な動きが収まったことにより米-イラン間協議が再度進展するとの見立てが強まったこと、など。

中旬: BRENT: 93.10 ⇒ 77.90 WTI: 90.03 ⇒ 74.82

上昇要因:6月17日、トランプ米大統領はイランとの間で締結した覚書は最終決定ではなく、今後の進展次第では攻撃再開の可能性があるとし、地域の再不安定化懸念材料として相場を押し上げたこと、など。
下落要因:6月11日、トランプ米大統領は予定していたとするイランへの再攻撃中止を発表、停戦協議の進展があり署名の日時と場所がまもなく発表されると報道され協議の合意は近いとの期待が強まったこと、6月12日、イスラエルはレバノンから部隊を撤退させない意向を表明するという不安材料はあるものの、長らく続いた米-イランの戦闘終結合意への期待を背景とした売りがさらに拡大したこと、6月16日、米-イランの戦闘終結に向けた覚書(MOU)が締結され、イランがホルムズ海峡の通峡料について60日間は課さないことに合意したとの報道があり、エネルギー供給量増大の期待が強まったこと、6月18日、60日を経た後の最終合意を巡っては核とホルムズ海峡の課題について懐疑的な見方が浮上しているものの、覚書の発効を背景に売りが先行し続けたこと、など。

下旬: BRENT: 77.90 ⇒ 72.92 WTI: 74.82 ⇒ 69.50

上昇要因:6月25日、オマーン付近でシンガポール船籍の貨物船が被害を受けたとの報をきっかけに、一時的なホルムズ海峡通峡数再減少の懸念が浮上したこと、同日、24日夕方に南米ベネズエラで発生した大規模な地震により、同国からの原油輸出ペースが鈍化するのではという見方も一部浮上し、相場を下支えしたこと、など。
下落要因:6月22日、米国とイランはスイスにて仲介国のパキスタンとカタールを交え戦闘終結の最終合意に向けた協議を実施、イランの核査察受入れ合意などの協議進展があったこと、6月23日、米財務省は対イラン制裁を8月21日まで一時的に緩和しイラン産原油販売などを容認すると発表、各種エネルギー製品の流通が活性化するとの見立が強まったこと、6月24日、ホルムズ海峡の船舶通峡状況はMOU締結以来目に見えて増加していることがデータで明らかになり、また周辺地域での戦闘も落着いており、この兆候が継続されると考えられたこと、など。

CP先物価格の推移

上旬: CP先物 $681 ⇒ $674

インド・中国の需要抑制や米国出荷の増加により需給バランスはある程度保たれている状況下、7月CPの先物価格は6月CP価格からは下がるものと想定され、$680~670前後で推移。
原油価格の変動と同様にそこまで大きな変化はなく、またLPGに特化した大きな動きも特段観測されなかった。

中旬: CP先物 $674 ⇒ $576

米-イランのMOU締結により原油価格と同様に大幅下降傾向。マーケット上の船舶ではホルムズ海峡の通峡は基本的には難しいものの、一部サプライヤーが自らハンドルしている船を通しているという情報もあり、中東出荷増の期待感も上昇。中東品の最吸収先であるインドは米国から多量のLPGを確保しており、中東品が増えても需要が追い付くには時間がかかるとみられたことも先物価格下落に拍車をかけた。

下旬: CP先物 $576 ⇒ $580

CP発表前数日間の価格変動(流動性)は限定的であった。6月最後の10日間は$575~$585あたりの推移となっており、発表されたCPはマーケットの先物価格と大きなズレはなかった。

7月CPについて

・6月30日(火)に発表された7月CPは、プロパン$580/トン(前月対比-$180)、ブタン$600/トン(前月対比-$220)。
・7月CPは大きな傾向として、原油価格に連動した先物価格推移となった。
・MOU締結後、ホルムズ海峡を往来する船の数は明らかに増加したが、LPGにおいては極端な変化は観測されていない。日本を含む大多数のBuyerはホルムズ海峡内側への船舶通峡は引続き不可の状況。一方で一部サプライヤーが自らハンドルしている船を通しているという情報があり、UAEのFujairah港やオマーンのSohar港などの沖合、またはインド西海岸沖などのホルムズ海峡外側において、LPGの船から船への引渡しを実施する動きが観測され始めている。これはサプライヤーがホルムズ海峡へ船を通しBuyerが湾外で受取るスキームと見られる(限定された取引)。しかしこのような動きはLPGのみに限ったものではないこともあり、他製品と比較して極端な価格変動は見られなかった。
・季節的に非需要期であること、中東以外からの調達が問題なく継続していること、需要地における需要抑制の影響からLPGは他製品比相対的に需給に余裕があり、熱量あたりの価格では引続き原油対比LPGの方が安価。LPGは他エネルギー製品と比較して相対的に需給のひっ迫度合いが引続き小さいことが伺える。
・プロパンとブタンの価格差については、需要地における極端なブタン不足が解消されつつあることで、6月中旬以降徐々に縮まっていった。

今後のマーケットの見通し

・米国-イランのMOU締結によって、6月はエネルギー製品の価格に大きな変化があった。しかし、この覚書の条項が実際に履行されるか、また60日以内に最終合意に到達できるかは不透明な状況。
ホルムズ海峡管理やイラン凍結資産解除を巡る履行順序、先送りとされた核問題の妥結点など、不明瞭な要素はいくつもあり、またイスラエルは引続きレバノンへの攻撃を続けるなど合意締結を良しとしない動きを継続するなど、非常に不安定な状態であることは間違いない。このような状況下、ホルムズ海峡通峡は各船会社とも湾内に閉じ込められる懸念から踏み切れない可能性が高く、急激に航行数が増大するとは考えにくい。一方で、一部で始まっているサプライヤーによる湾外での製品引渡しの動きについては加速していく可能性もあり、中東地域からの物理的なLPG出荷量は、制約をクリアできる船舶の数に合わせて徐々に回復していく可能性はあると考えられる。
・中国ではPDHプラントの稼働停止により需要が抑えられていたが、徐々に再稼働の兆しが見えている。中東品の増加が実現すれば、その大きな吸収先として機能する可能性が高い。
・3月以降中東品が大幅減少したことにより需要地アジアでは米国品の調達が増えており、パナマ運河経由での調達も多く観測されている。そのような中、エルニーニョ現象が発生していることにより徐々にパナマ運河の水位低下が観測されており、この状況が続けばパナマ運河は船舶通峡数の低減策を打ち出す可能性がある。中東品出荷が大きく回復しない中でこれが施行された場合、アジア圏への供給量が急激に絞られてしまうというシナリオも考えられ、注意が必要。
・サウジアラビア東海岸からのLPG出荷は紛争に関係なく3月から7月までの丸5か月停止が確定。設備の回復状況についてのアナウンスは特段無いが、ホルムズ海峡が(限定的にでも)開いた際に解消されていないようであれば需給タイト側へ触れる要因となり続ける。