CP価格

12月30日に1月のARAMCO価格が発表されましたので次の通りご報告致します。

1月CP
プロパン $ 525 /MT(前月比+$30)
ブタン  $ 520 /MT(前月比+$35)

アラビアンライト原油の12月1日~31日の平均価格は$63.066/BBLです。
尚、1月CPのアラビアンライト原油熱量換算比は、プロパンで101.5%、ブタンで102.0%となっております。

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CP決定の背景

原油先物価格の推移

上旬: BRENT: 63.17 ⇒ 62.21 WTI: 59.32 ⇒ 58.46

上昇要因:米連邦準備制度理事会が開く連邦公開市場委員会で追加利下げに踏み切ることが手前から市場に浸透、利下げにより経済成長が促され原油買いを後押ししたこと、米国EIA在庫統計では、11月末の過去5年平均取崩数量と遜色ない数量感の取崩しとなり、需要が堅調であるとの見方となったこと、など。
下落要因:ロシア・米国間でウクライナ和平案について協議し、ウクライナ和平協議進展によって欧米の対ロ制裁緩和によるロシア産原油の市場流入の期待感が若干高まったこと、9日発表の米雇用動態調査で求人数が市場予想を大きく上回りドル高が進行したことにより、ドル建て原油の割高感が強まったこと、など。

中旬: BRENT: 62.21 ⇒ 60.47 WTI: 58.46 ⇒ 56.66

上昇要因:米国-ベネズエラ間で緊張が高まる中、ベネズエラ産原油の供給が混乱するとの警戒感が相場を支えたこと。
下落要因:ウクライナ停戦交渉においてウクライナが領土問題で譲歩を含む修正案を米側に提示し、和平実現の可能性上昇とロシア産原油供給増により現実味を帯びたこと、中国国家統計局が発表した鉱工業生産が減速しており、中国からのエネルギー需要減速への警戒感が広がったこと、OPEC月報にてOPEC+の11月原油生産は目標としていた+13.7万b/dに近い水準を達成、供給過多と目される中堅調な出荷が確認されたこと、など。

下旬: BRENT: 60.47 ⇒ 60.85 WTI: 56.66 ⇒ 57.42

上昇要因:イエメンにて、サウジアラビアが支援する暫定政権と、UAEが支える分離独立派「南部暫定評議会」(STC)の軍事対立が続き空爆にも発展したことで、地政学的リスクが上昇したこと、ウクライナがロシア北部のプーチン大統領邸を標的にドローン攻撃を仕掛けたとロシアが主張(ウクライナは否定)、ウクライナ情勢の進展は引続き不透明であると一部から判断されたこと、など。
下落要因:年末の取引は軟調。OPECプラス増産などを背景に需給緩和懸念が強まっていること、など。OPEC+有志8カ国による26年1~3月期の増産は一時的に停止となるが、供給過剰に対する市場の懸念は依然として根強い。

CP先物価格の推移

上旬: CP先物 $500 ⇒ $521

マーケット感からは大きく乖離していない12月CP発表となった。各サプライヤーから1月積タイミング通知があり、マーケットからは後ろ倒しの依頼を受領したというプレイヤーも散見された。
また一部のプレーヤーに対してレシオ変更(ブタン→プロパン)を依頼したとの話が出ており、ブタンを中心にタイトな状況が伺える環境となった。

中旬: CP先物 $521 ⇒ $499

原油価格に連動して下落。また、中東サプライヤーの中で1月積カーゴの積日割当が最も遅いサウジアラムコにおいて遅延や減量等は見込まれておらず、全体的に中東1月積カーゴの出荷目途が立ったものと見られ、価格は一時下落。しかしながら、中東各社タームでコミットしている販売量以上の供給余力はマーケットからは確認できず。

下旬: CP先物 $499 ⇒ $525

現物商談は2月積みFOBカーゴに移行しつつある中、中東プロパン在庫のタイト化見込みは継続しCP先物価格もじわじわと上昇。CP発表前日の1CP先物価格は$509/トン程度であったが、最終的にはマーケットより少し高い値のCP値付となった印象。しかしながら足元の中東タイトな環境を考慮すると大きく違和感のない値付であるとの声も聞かれた。

1月CPについて

・12月30日(火)に発表された1月CPは、プロパン$525/トン(前月対比+$30)、ブタン$520/トン(前月対比+$35)。
・12月の序盤は複数の中東サプライヤーから、翌月以降冬場の供給タイト感を仄めかす情報がマーケットに展開され、アジアの季節需要も相まってCP先物価格は上昇。その後一旦原油価格の下落影響もあり落ち着きを見せたが、引続きタイト感は拭いきれず翌月CP先物は緩やかに上昇。最終的には先物マーケットよりも高値($525/トン)の発表となった。
・ウクライナを巡る情勢について、この12月に進展が見られたものの、目覚ましいものではなく引続き情勢は不安定。原油価格の上下動に大きくは影響を及ぼさなかった。
・中東サプライヤー各社が翌月や翌々月以降の積荷役スケジュールを調整する中で、クウェートやカタールににおいては積数量の制約や後ろ倒し、品種の変更(プロパン→ブタン)の打診があったようであり、特にブタンにおいて期先のタイト感が醸成されている。日本でも寒気の訪れがあるなどアジア圏では季節要因での需要も堅調。CP先物価格、成約レベルは急激に下がる兆しはなく、ある程度高い水準を保った状態が継続している。
・今年の夏場には$30/トンの開きがあったプロパンとブタンの価格差は今月さらに縮小され$5/トンとなった。米国品を含む極東向け持ち届け価格がブタン>プロパンとなっている状況が継続している中、ブタン需要はアジアの石油化学原料用途及び主にインドでの民生需要として堅調、中東産ブタンも引合いが強い。一方でプロパンについても中東からの供給余力がある訳では無いため、同価格までは価格が縮まらなかった。

今後のマーケットの見通し

・12月CPに続いて1月CPも例年対比安価な値付けとなった。1月CP(プロパン)として$550/トンを割ったのは2019年以来7年ぶりとなった(2019年1月CP(プロパン)が$430/トン)。供給過剰に伴う原油価格の低迷に追随する形で大きな価格上昇要素がないことが主要因であり、今冬の一時的な中東からのLPG供給タイト感は継続するも、急激なCP先物価格上昇の兆しは見えていない。
・日本を含む東アジアが平年並みの寒さが予想されている中急激な寒波が押し寄せた場合、または米国輸出港湾岸の霧影響やパナマ運河混雑などによる極東向けカーゴの供給遅延があった場合には、マーケットが大きく反応する可能性がある。一方で足元、米国ヒューストン湾岸では霧が断続的に発生しているが、今のところは顕著な遅延や混雑は聞かれていない。また、パナマ通峡オークションについても、12月後半には一時的に1百万ドルを超える落札額になったタイミングがあったが、年末年始にかけては最も高くても約500千ドル程度、平均して約200千ドル程度の水準に落ち着いている。状況変化の可能性は十分に考えられるためマーケット参加者は市場の動きに敏感になっている。
・2025年は4月からの米中関税、夏場の中東情勢悪化など、政治的理由によるマーケットの顕著な変動が見られたが、秋以降はガザ停戦やウクライナ情勢もマーケットに顕著な影響を及ぼさなかった。しかしながら、2026年は年始早々米国がベネズエラを急襲、武力行使を正当化したうえで石油利権の引渡しを進めようとしている。これによる原油価格への影響は現状軽微ではあるが、米国の武力による強引な世界情勢への介入は今後もマーケットに影響を与える可能性が高い。また、米中関税を巡ってLPGにおいては中国が米国品に課す追加関税は現行の10%のまま11月まで継続することとなっているが、こちらがどのような駆け引きを経て変化していくかは2026年の大きな懸念点になる。